抱腹絶倒(!?)風雲なりゆき小説
マンダリン・オレンジヒルズ高校白書
第1シリーズ・第1話
「抗争勃発!?部員獲得大作戦!」
(前回のあらすじ)
西東京大会・東京地区大会を全勝で勝ち抜いた東橘は、
選抜大会に選ばれ念願の甲子園出場を決めた。
そして、初出場ながらも見事にベスト8に輝く。
その余韻に浸る間も無く新学期を迎えた東橘に、
また新たな選手が加わろうとしていた。
都内某所・東京橘が丘高校。
野球部が選抜でベスト8になったことから、
知名度は少しアップした。(ゲームで言えばDくらいに)
入学式でも、校長はしきりにその事をアピールしていた。
次の日、対面式が行われ、
部活動紹介も同時に行われた。
しかし、野球部を除く他の運動部は、
野球部に新入部員を根こそぎ持って行かれることを恐れて、
あれこれ対応策を考えた。
入部してくれたら食事(上定食)をサービスする部もあれば、
たくさんの女子高生で新入生を釣る部もあった。
そして、野球部主将、久米が野球部紹介をする番になった。
講堂の壇上に立つやいなや、いきなりこう叫んだ。
久:「甲子園に行きたいか〜〜〜〜っ!(*1)」
1年生達:「お〜〜〜〜っ(^o^)/」
(以下省略)
久:「野球部では、再び甲子園に行くために、
頑張ってますし、新たな部員も求めています。
野球部を、どうぞよろしく!」
新入生の拍手に送られながら、久米は壇上を後にした。
紹介を終えた久米を、飯塚が迎えた。
飯:「手応えアリ、みたいですね。」
久:「そうだな。他の運動部に負けないようにしないと...」
飯:「部活動勧誘解禁の明日からがいよいよ勝負だな。」
−−−−−その夜(東橘の部活動勧誘の解禁日の前夜)−−−−−
東橘野球部に入部しようとしていた何人かの新入生達は、
その日を待ちきれず、それぞれ明日のためにいろいろやっていた。
雲母 精一(投手・以下雲)の場合。
雲母は自宅の庭で投球練習をしていた。
ストレートはもちろん、持ち玉のスライダー・カーブも、
今日は冴えに冴えていた。
雲:「今日も、俺は燃えてるぜ!
エースの座はいただきだ!!」
彼は五大とは全く正反対の熱血ピッチャーだった。
しかし、入部後彼に襲いかかる悲劇を、彼自身は知る由もなかった。
定詰 和記(一塁手・以下定)の場合。
根っからの野球バカ・定詰は、
夜遅くまで開いている近所のバッティングセンターで、
あまり良くない選球眼を鍛えるため、
地獄のフリー打撃・打ちっ放し練習
をやっていた。
すでに、投資額は3千円を超えていた(爆死)。
定:「(カキ〜ン←バッティングの音)
うおりゃ〜〜〜〜!!
(カキ〜ン)
打つべし!打つべし!
(カキ〜ン)」
バッティングセンターのオヤジ(以下オ)が定詰に声をかけた。
オ:「ジョー(ここでの定詰の通称)、今日も勢が出てるなぁ。」
定:「当たり前でしょ、おやっさん。
(カキ〜ン)
明日から俺、高校球児っすよ!
(カキ〜ン)
居ても立ってもいられなくてさぁ。」
オ:「でも、よくここまでやったものだな、ジョー。
小さい頃からここに通ってきた甲斐があったな。」
定:「でもよぉ、いくら何でも、
(カキ〜ン)
その格好、やめないか?
(カキ〜ン)
まるで懺悔段平(*2)みたいだぞ!
(カキ〜ン)」
オ:「それを言うなら丹下段平(*3)だろうが!
去年の町内対抗運動会で、
仮装リレーの時以来つけてるからなぁ。(営業時のみ)
気に入ってるんだよ、結構(爆)」
そして、定詰の持ち玉が無くなった。
オ:「もうやめなよ、ジョー。そろそろ閉店だぞ!」
定:「う〜ん...あと5百円分打たせて!」
結局、このあと千円分打ったそうな(爆死)。
矢部 玲(二塁手・以下矢)の場合。
彼は机に向かって、入部届けを書いていた。
しかもきちんとすずりで擦った墨で、である。
さすが、『いいひと』の特性を持ってるだけあった。
矢:「これくらい、当たり前の事だよな。」
と、筆を進めた。
『私、矢部 玲は、
東京橘が丘高等学校・硬式野球部への入部を、
切に願っております。
入部いたしましたからには、日々練習に精進し、
甲子園大会への出場に向け全力を尽くす次第であります。
どうかよろしくお願いいたします。
野球部監督 城内 卓也様
同 部長 佐藤...』
とここまで書いておいて、矢部は驚愕した。
矢:「ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜!
お、俺の名は玲だった〜〜〜〜!
これじゃ、からかわれるかも...」
そして、彼の脳裏に、ちゃん付けでからかわれる自分の姿が思い浮かんだ。
(ここから妄想シーン)
部員A:「や〜い、や〜い。
玲ちゃん、どうしたの?
早く零号機に乗らないと・・・(ってエ○ァネタかい)」
部員B:「お前、何人目の玲だ〜?
『多分、3人目だと思うから...』(*4)ってか?」
矢:「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
母ちゃん&日クリ(爆)の、
バカヤロ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
(妄想シーン終了)
と、ここで矢部は我に返った。
矢:「いや、そんな事絶対にさせないぞ!
どんな事があっても、受け流すぞ!」
と、口で言っておきながら、「玲」の部分は普通より小さめに書いていた(爆)。
米 茂一(二塁手・以下米)の場合。
米の家は、古くから米屋を営んでいた(爆)。
家業の手伝いで、米袋を運び続けたおかげで力が付き、
『パワーヒッター』の特性を備えるようになった。
しかし、彼の野球の理想像は、「魅せる野球」だった。
米:「〔あ〜あ。俺は力の野球じゃなく、魅せる野球がやりたいのにな〜。
特に、ジャンピングキャッチとかできる選手が
理想なんだ。プロレスで言えば、ムーンサルトプレス(*5)
のような、華麗な技をこなせる選手だ。でも、家業のおかげで、
こんな筋肉質の体になっちゃったしな〜。〕」
と心の中では思っていたが、彼は実は格闘技好きであった。
自分の部屋のテレビにはきちんとスカパーが入っており、
「SAMURAI!」(*6)も見れるようになっていた。
そして、この日も昔の新日本(プロレス)の試合を見て、布団に入った。
本条 煌千(遊撃手・以下本)の場合。
本条は自宅近くの河原を走り込みしていた。
午後10時頃から始めて、有り余る体力で川沿いをどんどん走っていたら、
東京湾に出てしまった。(爆死)
本:「ま、また戻ればいいか。」
こうしてマイペースな本条は、都合7〜8時間ほど走り続け、
何とかおはスタ(*7)の放送時間に間に合った(超爆死)。
本:「お〜は〜!」(朝爆死)
里中 修作&松木 利彦(通称・里松コンビ)の場合。
二人は、電話で話をしていた。
里:「いよいよ明日勧誘解禁だな。」
松:「サト、入部届、書いたか?」
里:「書いたよ。もちろん、野球部あてにな。
でも、マツ、お前、他の部からも勧誘来てるんだろ?」
松:「ああ。『スポーツ万能』もつらいなぁ。」
里:「中学時代は全国(大会)行けなかったからな、
高校では絶対、甲子園に行くぞ!」
松:「それじゃ、気合いを入れるためにも、いっちょやりますか。」
里:「せ〜の!」
里・松:「1,2,3,ダ〜〜〜〜〜〜〜ッ!(*8)」
里松コンビのかけ声は、別に決まったものが無かった(爆死)。
そして、夜が明けた。
この日、ある衝撃的事件が起こるとは、
誰も思いもしなかった。
−−−−−翌日(東橘の部活動勧誘の解禁日)−−−−−
その日の午前中、校長は中庭の花壇の手入れをしていた。
校:「そろそろ春に蒔く種も植えないとな。
あれ、土が足りないな...」
そう言って校長は用具入れに土を取りに行った。
校:「あったあった。この袋だな。」
と、そばにあった袋を取り、花壇に混ぜてしまった。
そこへ、佐藤玲先生がやって来た。
佐:「あ、校長先生、そこだったんですか。」
校:「佐藤先生、どうしました?」
佐:「用具入れに置いてあった、
甲子園の土、知りませんか?」
校:「さぁどこへ行ったんだろうか...」
と、おもむろにさっきの袋の表面を見ると、そこには、
「甲子園出場記念・甲子園の土
東京橘が丘野球部寄贈」
と、書かれてあった。
思わず顔が引きつる校長(爆)。
しかし、運悪くその袋を見た佐藤先生は、
校長にビンタを一発お見舞いして、
佐:「校長の...バカ〜ッ!」
と叫んで、頬にひとすじの涙を流しながら去っていった。
校長・高橋 旭(バツイチ)の56回目の春は、
早くも終わってしまったわけで...
(北の国から(*9)風に)
お昼の休み時間、校内放送が鳴った。
「ピンポンパンポ〜ン。
城内先生、城内先生。
3分以内に校長室に来てください。
もし時間をオーバーしたら・・・ガチャッ
ピンポンパンポ〜ン。」(爆死)
2分57秒後、城内が校長室にやって来た。
城:「〔あ〜、やだな。
校長が時間設定して呼び出す時って、
何か悪いことがあったときだもんな。
よりによって学食で上定食(限定100食)待ってる時に...〕
失礼します。」
校:「(ストップウォッチを押して)2分57秒か...
あと3秒だったな。さて...」
城:「いったい何の用でしょうか?3年前、女房に不倫がバレて、
離婚しちゃって今はバツイチの校長先生。」
校:「その言い方はやめろ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
(校長専用超巨大ハリセン)ドカボコベキバキ!!
城:「ゲフゥ(o_ _)oバタッ。」
校:「また、つまらん物を叩いてしまった...(*10)」
(城内回復)
校:「さて、実は君にどうしても言っておきたい事があるんだ。」
城:「どんな事でしょうか?」
校:「実は...甲子園の土を、
花壇に蒔いてしまったんじゃ。」
城:「え゛え゛え゛〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
校:「いや、全部蒔いた訳じゃないぞ!
ほら...少しなら残ってるぞ!」
城:「す、少しって...
ほんのサバ缶くらいの量しか無いじゃないですか!」
校:「とにかく、食堂からサバ缶の空き缶取ってきてくれ。」
城:「自分で行けばいいじゃないですかぁ。」
校:「ぶぅわっかもお〜〜〜〜ん!!
校長に指図するな〜〜〜〜っ!!」
校長は、再び専用ハリセンを構えた。
城:「わ、分かりました。行って来ます。
〔ここで逆らうわけにはいかないしな〜〕」
学食にやってきた城内は厨房に入ろうとした。
しかし、その時、例の声が聞こえた。
も:「城内〜〜〜〜、何やってんの♪」
城:「ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
それは紛れもなく、GMもりもりの声だった。
も:「城内ぃ、今ならまだ間に合うから(爆)本当のことを言ってごらん。」
城:「あ...いや、ちょっとサバの空き缶を
探してたんですよ。」
も:「何で?」
城:「え、それは...灰皿の代わりになるのが無いかな〜っと、
思いましてね。」
も:「城内、お前、ウソついてるな?」
(怒りの鉄拳スタンバイ完了)
城:「本当ですよ、職員室の陶器の灰皿が割れちゃったんで、代わ...」
も:「ウソつけ〜〜〜〜っ!!
職員室は今、
禁煙月間だろ〜が〜〜〜〜!!」
そして、読者の期待通り(爆)、今回も怒りの鉄拳が炸裂した。
城:「グフゥ(o_ _)oバタッ。」
その後回復した城内は、事の一部始終をもりもりに話した。
もりもりは数日後開かれた学園の理事会でこの事を話したため、
東橘の校長は半年間の減給処分を受けた(爆死)。
−−−−−その日の放課後−−−−−
東京橘が丘グラウンドは、新入部員獲得に躍起になっている上級生達と
各部活を品定めする新入生達であふれ返っていた。
サッカー部員:「君も未来の中田を目指さないか?」
ラグビー部員:「青春といえば、やっぱラグビーでしょ!」
テニス部員:「女子部員のパンチラ拝み放題!!」
水泳部員:「女子部員の水着姿拝み放題!!」
三:「う〜ん、テニス部と水泳部も捨て難いな〜。」
野:「何でやねん!って、それよりこっちも勧誘しないと...」
朝:「野沢ぁ、だいぶ関西のツッコミうまくなったやないか。」
その時、校内放送が鳴った。
「ピンポンパンポ〜ン。
野球部員は至急部室に集合してください。
ピンポンパンポ〜ン。」
三:「一体何の用だろう?」
と、思いながら彼らは部室に集合した。
城:「みんな、新入部員勧誘中に済まないが、GMさんから、
重大なお知らせがある。静か〜に、聞くように。」
も:「え〜、実は、大変言いにくい事だが、
この学校のヘッポコ校長が、
事もあろうに、甲子園の土を、
花壇に蒔いてしまった。」
(部):「え゛え゛え゛〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
城:「で、残ったのが、このサバ缶いっぱいの量だけだ。」
(部員一同、沈黙)
佐:「気持ちは分かるわ。私も校長先生には怒りを覚えてるの。
だから、思いっきりビンタしちゃった☆彡」
すると三沢が叫んだ。
三:「みんな、ここで落ち込んじゃダメだよ!
『もう一回甲子園行って、土採ってこよう』と思うくらいに、
プラスに考えようよ!」
久:「そうだな。もう一回甲子園、行こうよ!」
(部):「よぉ〜〜〜〜し、
頑張るぞぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
も:「よし、それじゃ新入部員勧誘を再会してくれ!
『これは!』と思ったヤツがいたら、部室まで案内してくれ!」
(部):「はいっ!!」
部員達はそれぞれ、部室を後にした。
も:「やれやれ、『雨降って地固まる』だな。」
その頃、グラウンドでは田中
雅之(以下雅)が、どの部活に入ろうか、
迷いに迷っていた。
と、そこへ各部活の部員が現れた。
サッカー部員:「君、いい体してるねぇ。サッカー部入らない?」
柔道部員:「柔道やって、君も金メダリスト(*11)になろう!」
レスリング部員:「桜庭(和志・*12)知ってる?あのPRIDEの。
レスリングは面白いぞ!」
雅:「あ、あの...ちょっと考えさせてください。」
彼は、まだ迷っていた。
雅:「〔う〜ん。本当は野球部に入りたいんだけどな〜。
選考が厳しいって言うし、困ったな〜〕」
迷っている彼のもとに、三沢達が現れた。
三:「そこの君、どう、野球部に入らない?」
雅:「え、僕ですか?でも、選考が厳しいとか...」
朝:「大丈夫!!悪い特性が無い限り基本的にOKやから。」
野:「さあさあ、野球部室で監督さんも待ってるからさ。」
田中(雅)は、こうして野球部の部室へ連れて行かれた。
そして、部室前の廊下にぶち捲かれた大量の塩を目にした。
雅:「こ、これは何ですか?」
朝:「また今年も犠牲者が出たか...」
(三沢・朝比奈・野沢そろって合掌)
雅:「犠牲者って、何ですか?」
三:「選考に漏れた人たちが塩を捲かれた跡さ。」
朝:「過去、名も無いキャラが何人も消えていったからな。」
野:「こんな時にそんな事言っちゃダメ、ダメだろ!」
(野沢、脱皮の時近し? by作者)
飯:「こら!お前ら、あまり新入生にプレッシャーかけさせるんじゃない。
受かる奴は受かるし、落ちる奴は、
塩を捲かれてボッコボコにされるんだ。」
野:「飯塚先輩が一番プレッシャーかけさせてるんですけど...」
(なお、ボッコボコには絶対にしません。by作者)
三:「とにかく中へ入った、入った。」
田中(雅)は無理矢理部室へ入れられた。
雅:「わ、わっ。し、失礼します!」
城:「こんにちは。早速組と名前を言ってくれないか?」
雅:「1年3組、田中 雅之です。
野球については素人ですが、野球部に入らせてください。」
も:「よし、それじゃデータを調べてみよう。」
もりもりはデータを調べていった。
(3分後)
も:「田中ぁ!」
雅:「は、はい〔まさかボッコボコとか...(←だからしないって)〕」
も:「お前、守備ライトでいいか?」
雅:「え、はい。どこでもかまいませんが...」
も:「決まりだ!入部を許可する!!」
雅:「やったぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
も:「明日から練習だ!マネージャーにユニフォームもらって来い!」
雅:「ありがとうございます!御恩は一生忘れません。(爆)」
田中(雅)は喜んで部室を後にした。
数分後、あつみが1人の女子生徒を連れて部室に入ってきた。
連れの女子生徒は、黒ぶちメガネにおさげ髪という、
マニア泣かせの(爆死)委員長タイプの女の子だった。
あ:「GMさ〜ん、ちょっといいですか?」
も:「ん?どうした?」
あ:「この子、マネージャー志望なんですけど、どうですかね。
能力は運動神経がA、あとはオールBなんです。
なかなかいい人材でしょ!」
も:「名前は?」
あ:「高橋
清子(以下清)って言うんです。よろしくお願いします。」
清:「お願いします。マネージャーにしてください。」
もりもりは、首をかしげた。
もりもりはあまりメガネっ子はタイプじゃなかった。(爆死)
も:「ちょっと、メガネ取ってみて。」
清子はメガネを取ってみた。すると、
も:「〔なかなかキャワイ〜ィ(核爆死)〕
コンタクトにするという条件付きで、採用決定☆彡」
清:「有難うございます。一生懸命尽くします(←GMの妄想)
頑張りますのでよろしくお願いします。」
清子は部室を後にした。
あ:「GMさん、まさか惚れたんじゃないんですか?」
も:「いや、そんな事は無いっ!」
と、そこへ前回の終わりにちょこっと出てた美少年・中川
政博が現れた。
中:「失礼します。野球部への入部を希望します!」
城:「おお、また来たか。早速組と名前と希望ポジションを言ってくれ。」
中:「はい。2年5組、中川 政博です。」
城:「ふむふむ。2年5組ね。って、
ぬぅわにぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
今、2年って言わなかった?」
中:「はい。2年ですけど。」
あ:「でも、この前(前回参照)、女子生徒にちやほやされてた
新入生って、確か君のことだよね。」
中:「実は、組章を今年のものに付け替えるのを忘れちゃったんですよ。」
も・城・あ:「ズコ〜〜〜〜ッ!!」
城:「なるほど。それで君を新入生と勘違いしたんだ。」
中:「始業式の日、風邪ひいて早引きしたので組章もらい忘れたんです。」
城:「でも、うちは基本的に2年は採らないんだ。(実話)
どうします?GMさん。」
も:「う〜〜〜〜む。今回は特別ってことでいいんじゃないか?
ただし、今回だけだぞ!!」
城:「何かえらく寛大ですね。どうしたんですか?」
も:「別にいいだろ!!
それより、中川、お前の希望する守備位置はどこだ?」
中:「はい。マネージャー志望です。」
城:「ふむふむ。マネージャー志望、っと。って、
ぬぅわんだってぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
今、マネージャーって言わなかった?」
中:「はいっ!!マネージャーとして野球部に入れてもらいたいのです。」
城:「でも...どうします?GMさん。」
も:「別にマネージャーは女子のみという規定は無いしな。(*13)
ふむふむ。能力も悪くない。いいだろう。早速明日からよろしくな。」
中:「有難うございます。では失礼します。」
こうして東橘にまた新たに2人のマネージャーが入った。
一方、選手はこの話冒頭の連中を含め、この日12人入部した。(*14)
−−−−−翌日放課後・野球部新入部員練習初日−−−−−
新入部員たちは早速真新しい練習用ユニフォームに袖を通し、
部室前に集まってた。
久:「こら!なにダラダラしてるんだ!整列しろ!!」
キャプテン・久米が新入部員に渇を入れた。
そして、新入生お目付役の(って実際のゲームにはありませんが)
三沢と潮崎がこれからの練習メニューを発表した。
潮:「まず、グラウンドを10周ランニング。
その後、柔軟体操。
さらに100mダッシュ10本。
次に遠投を含めキャッチボール。
と、これでウォーミングアップ終了。」
三:「そして、本練習。
練習の終わりにもクールダウンのランニング5周と柔軟体操。
あと、新入生は日々交代でトンボかけね。」
米:「あの、それじゃ準備運動だけで1時間くらい
かかるんじゃないかと思うんですけど...」
潮:「ああ。まず練習前には体を慣らさないといけないからな。」
定:「バッティングとかはいつやるんですか?」
三:「新入生はしばらくバットを持たせない。
本練習はタイヤ引きをA練習〜C練習で行い、
D練習はストレッチをやる。」
矢:「守備練習もやらないんですか?」
潮:「打撃も守備もある程度体力がついたら本格的に開始する。」
松:「どうしてですか!先輩。
僕等は野球をするために野球部に入ったんです。
フィットネスクラブじゃないんですよ!」
里:「俺達の中には今の先輩方よりも、
能力の高い奴らが何人もいるんですよ!!
野球をさせてください。」
新入部員達:「そうだ!そうだ。
野球をさせろ〜〜〜〜!!」
練習初日から早くも抗争が始まりそうな状態に、
先輩の2人は困ってしまった。
そこへ、もりもりが現れた。
も:「よし!お前ら!そんなに野球がしたいなら、
本練習で打撃も守備もすぐさせてやる!
その前に、グラウンド10周走ってこい!!
ただし、上級生と同じペースでな」
新入部員達は、グラウンドに出て、先輩達のあとについて
ランニングを始めた。
はじめの1〜2周はそこそこペースを保っていたが、
少しずつ遅れ始め、10週目には半周近い差が開けられていた。
まるで、「ガチンコファイトクラブ」(*15)の1期生と2期生の
力の差を見るようだった。
1年部員達:「「「はぁ、はぁ。
もう疲れた〜〜〜〜。」」」
も:「こら!何休んでいるんだ!!
各自さっさとバット持って素振り開始!!」
さらにもりもりの檄が飛んだ。
も:「何だ!そのへっぴり腰は!!
そんなんで球が打てるか!!」
あまりの厳しさに、新入部員は口々に言った。
「あれだけ走ってすぐ素振りって、つらいっすよ!」
「何で同じメニューやって先輩達は平気でいるんですか!」
すると、もりもりは、
も:「ぶぅわっかもお〜〜〜〜ん!!
お前らと体力の差があるからに
決まってるからだろ〜〜〜〜!!」
新入部員達はしゅんとした。
例え能力が高くても、先輩達には、
自分達に足りないものを持っていたことを彼らが悟ったからである。
も:「分かったか!うちが新入部員に徹底的に基礎練習をさせる理由が!!」
新入部員達:「「「はいっ!!GMさん、
申し訳ございませんでした。」」」
も:「今日はもういい。
明日から最初に言ったメニューで練習をやる。
お前らは野球がしたいんだろ!甲子園に行きたいんだろ!」
新入部員達:「「「はいっ!!」」」
も:「よし、わかった!甲子園に連れってってやる。
でも、そのためにも、俺はお前達を...
殴る!!(*16)
一人ずつ順に並べ!歯を食いしばれ!!」
(怒りの、じゃなく
愛の(!?)鉄拳12連発!!)
新入部員達:「「「ゲフゥ(o_ _)oバタッ。」」」
こうして新入生の抗争勃発は未遂に終わり、
新入生達の長かった練習初日は、これで終わった。
彼らはこの日のことを一生忘れないだろう。
翌日から、彼らはGMの教えを守り、基礎練習に専念した。
明日のレギュラーを、そして甲子園を夢見て。
しかし東橘野球部には安堵の時など無かった。
ホテルプラトン(*17)のように、
また新たな困難が立ちはだかってる事を、彼らは知る由もなかった。
第1シリーズ・第1話、終。
あとがきへ行くとばい
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